報酬を具体化する上で、単価交渉は避けて通れない重要な段階です。自身のスキルや経験が市場でどう評価されるか、それを金銭的価値として決定する場面となります。この交渉は、個人で直接行うか、あるいは専門のエージェント(仲介サービス)を活用するかの選択から始まります。
エージェントは、IT業界の動向や技術別の単価相場に関する豊富なデータを持つ専門家集団と言えます。技術者と案件を求める企業との間に立ち、円滑なマッチングをサポートする役割を担います。エージェント利用の利点は、客観的な市場相場に基づいた交渉が期待できる点です。個人では把握が難しい最新の単価動向を反映し、適正な報酬額を企業側へ提示する助けとなるでしょう。
また、営業活動や契約手続きの代行により、技術者が専門業務に集中しやすくなる側面も見逃せません。ただし、エージェントの仲介には手数料(マージン)が伴うのが一般的です。企業から支払われる契約金額と、技術者が受け取る報酬額との間に差額が生じる仕組みとなっています。このマージン率はサービス内容により異なるものです。
一方で、エージェントを介さず企業と直接契約を結ぶ選択も可能です。この形態では仲介手数料は発生しません。しかし、単価交渉や契約条件の調整、請求業務まで、全てのプロセスを自身で完結させる必要が生じます。自身の市場価値を客観的に証明するスキルシート(職務経歴書)の質を高め、希望単価の妥当性を論理的に説明する能力が求められるのです。
どちらの形態を選ぶとしても、単価交渉は自身の価値を的確に提示し、合意を得るための重要なプロセスと言えるでしょう。